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モントペペリ/MONTOPEPERI

言葉はなくともその時々で表情を変える動植物たちの魅力

2023.08.29 UPDATE

 10年間勤めていたデザイン会社を辞め、その後の転職にも失敗。「この先どうすれば良いのだろう」と先行きに不安を感じていた頃に、友人に誘われて蘭越町のアートスクールに参加したり、昔から好きだった画家・ミロコマチコさんの大胆な筆遣いに改めて感銘を受けるなど、アナログ手法の絵に触れる機会がたびたびありました。
 描き上げてみないとわからないワクワク感、同じものを二度と描けない面白さなど、それまでデジタル派だった私は、アナログの楽しさにのめり込むようになりました。
 本格的に絵描きの道に進むきっかけになったのは、初めて参加したイベントで自分の作品を販売したことです。全ての絵が完売し、この体験が喜びとともに自信をもたらし、2022年に「モントペペリ」の屋号で独立することになりました。以来、絵を発表するたびに人とのつながりや縁が増え、大きなやりがいを感じています。
 自然の中にいる身近な野生動物、散歩中に見かける雑草、お気に入りの古着屋や古道具店、テレビドラマに出てくる洋服やインテリア、子どもの描いた絵や文字、様々な国の民芸品など、私はあらゆる場所やモノ、生物からインスピレーションを得ています。
 なかでも、言葉こそないものの、その時々で表情を変えて動いたり咲いたりする動植物たちに魅力を感じ、元気や癒しをもらっています。
 摩周で実際に出会った可愛いキタキツネを描いた「摩周のキタキツネ」、お別れをする人のことを考えながら描いた「白猫と花」、阿寒の温泉街付近でエゾシカの群に出会った時に感じた溢れる生命力と、夜になると飛び出してくるのではないかというハラハラ感を表現した「阿寒湖のエゾシカ」など、現在開催中の「いきものたちの、ひとみのおく」では、動植物をテーマにした作品を中心に展示。生き物たちが精一杯生きるように、私も精一杯絵を描いています。その楽しさや自由さを感じてもらえると嬉しいです。

摩周のキタキツネ

白猫と花

阿寒湖のエゾシカ

 大昔は恐竜たちがいて、いろんな進化を経て今の私たちがあるんだと思うと、とても面白いなと感じ描いた作品です。

 メキシコの帽子(ソンブレロ・デ・チャロ)が描きたくて生まれた作品。陽気なメキシコ人をイメージしています。

Profile

モントペペリ

釧路市生まれ。札幌在住。 北海道芸術デザイン専門学校卒業後、10年の会社勤務を経て、2022年から「モントペペリ」(山椒をイメージした造語)の屋号で本格的に絵を描き始める。
●公式WEBサイト
https://riesakurai.jimdofree.com/

【入場無料】

北海道文化財団アートスペース企画展 vol.52
モントペペリ展「いきものたちの、ひとみのおく」

2023.6.14~9.8 9:00~17:00 ※土日祝休館 ※都合により臨時休館する場合があります。
場所/札幌市中央区大通西5丁目11大五ビル3F 問い合わせ/011-272-0501

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