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池田さやか/IKEDA SAYAKA

作品のモチーフは頭の中に浮かんだイメージ

2023.10.20 UPDATE

 子どもの頃から絵を描くことが好きだった私は、大学でも絵を学ぼうと教育大の美術文化課程に進学を決めました。絵画の専攻は日本画と油彩の2部門でしたが、油絵は向いていないと感じていたことや、受験は水彩で受けたので手法的に近いのではないか、という理由から、ほとんど知識のない状態で「日本画」を専攻しました。
 日本画の魅力は落ち着いた色合いや画面の質感だと感じています。自身がイメージして目指す表現や質感を画面上に再現することに試行錯誤する時間が私は好きです。技法も多く、使用する画材もさまざまです。私は動物の皮を加工して作られる「膠(にかわ)」、貝殻から作られる白色絵具「胡粉(ごふん)」、鉱石を砕いて粒子状にした「岩絵具(いわえのぐ)」、色の素となる「顔料(がんりょう)」、純金絵具の「金泥(きんでい)」等などを使うことが多く、たまに、珪藻土やアクリル絵の具も使用しています。
 作品のインスピレーションは、その時々で聴いている音楽から受けることが多いです。音楽を聴きながら車を走らせている時に浮かんでくるイメージが作品のモチーフになっています。頭の中に浮かんだイメージをじっくり考察し、スケッチを描き起こし、時には肉付けをしながら画面を構成していきます。
 以前は『美女と野獣』、『秘密の花園』、ミヒャエル・エンデの『モモ』など、物語を題材にイメージを膨らませて制作することが多く、この経験が「自身のイメージのみをモチーフにする」という、現在の制作姿勢につながっているのではないかと思います。  札幌の大学を出ている私にとってこの街は、制作のしやすさを感じる場所です。日本画の先生や先輩方とお会いする機会が多く、道展に所属しているため他部門の方々との交流もあり、この街で出会う人々からも日々刺激を受けています。
 今回の企画展は、私にとって久しぶりの個展になります。「star ship」、「angel」、「ヒトヨタケ」、「row a boat」など、ここ数年にわたる作品の変化を見ることができると思います。

star ship

angel

ヒトヨタケ

row a boat

Profile

池田さやか

1981年生まれ、北海道札幌市在住。北海道教育大学札幌校芸術文化課程美術コース日本画研究室卒業。道展会員、北の日本画展会員。

【入場無料】

北海道文化財団アートスペース企画展 vol.53
池田さやか 日本画展

2023.11.8~12.27 9:00~17:00 ※土日祝休館 ※都合により臨時休館する場合があります。
場所/札幌市中央区大通西5丁目11大五ビル3F 問い合わせ/011-272-0501

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