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伝わる文化

獅子舞ほんのさわりの巻

すーさんの「伝わる文化」おかわり 【一杯目】

2021.08.05 UPDATE

はじめまして。
WEBマガジン「北のとびら」で連載がはじまった「伝わる文化」監修担当のすーさんと申します。
道内岩見沢で大学の先生をやっているらしいです。
ちょっとだけ伝統芸能知ってるっぽいということで引きずり出されました。
毎回、「伝わる文化」で取り上げた伝統芸能をテーマにコラムを書かせていただきます。
題して「伝わる文化 おかわり」。
ぼそぼそ話をしますがよろしくお願いします。

さて。
今回は室蘭の御供獅子舞です。
かわいいですね。
写真から獅子の声が聞こえそうです。
「オレらカッコイイっしょ」
ということで獅子舞を超ざっくり。

獅子舞は大陸から伝えられた芸能だと言われています。
大陸にも仲間がいます。
ぼんやりとしたイメージとして、飛鳥時代だか奈良時代だかに向こうの楽人とやってきて定着したのかなと思いますがよくわかりません。
よくわかりません!(大切なので二度言いました)。
大陸の獅子舞や沖縄の獅子舞はモフモフでいいですよね。モフモフ。
日本国内では伊勢神宮の伊勢太神楽が国中を回って広めた、という説もあります。
誰かタイムスリップして確認してきてください。

まあ発祥・伝播の詳細はわからずとも、伝わってきて地元に根付くときには、地元に回ってきた獅子舞を見て、お、カッコイイな、あれやってみようかなというのがきっかけだったのではなかったでしょうか。
今だって、カッコイイダンスを見たら真似したくなりますよね。
実際、獅子舞は中の人の鍛錬によるスバラシイ動きのため超カッコイイです。
かならずやどこかでその迫力に触れていただきたいと思います。
実物を見ると間違いなく惚れます。
おそらくは、地域地域で「こうするとオシャレ」「隣のあのカッコイイやつ真似しよう」が折り重なってバリエーション豊かな日本中の獅子舞になったのではと。
あくまでも推測ですが、カッコイイものに憧れるニンゲンの行動原理は今も昔もそう変わらない。はず。

現在、日本で獅子舞の二大勢力(?)は香川と富山です。
御供獅子舞は讃岐(香川)系統の獅子舞です。
香川県には現在800もの獅子舞があるそうです(富山は800とも1000とも)。
獅子舞王国と名乗り、獅子舞王国さぬきというプロジェクトも進行中です。
讃岐からの長い距離をはるばるわたってきて、御供獅子舞は蝦夷の大地に降り立ったわけですね。カッコイイ!

獅子舞は神さまに奉納されるものでもあるし、門付けも行われるものです。
舞う獅子は神獣であったり、害獣であったり、いろいろです。
舞の最後に「幸せや健康を祈念して」獅子にかまれたお子さんたちがうぎゃーと泣くまでがお約束です。
獅子にかまれて泣くお子さんを見るとなんだかほのぼのします。
自分にない純粋さが眩しいからでしょうか。

今回は初回ということでざっくりになってしまいましたが、次があればもう少しいらない深掘りもしながらお話をしたいと思います。
何かご不明の点などございましたらご連絡いただければ幸いです。
という締めでよろしいでしょうかね!Mさん!

角 美弥子(すみ みやこ)
北海道教育大学岩見沢校芸術・スポーツビジネス専攻准教授。
修羅の国出身。無形の文化財の保存継承を研究対象とする。授業では正しい琵琶の見分け方に時間を費やす。好きな能楽の曲は「猩々」。酌めども尽きぬ甕が欲しい。
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