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アートファイル

映像作家/斉藤幹男

別々の時間、土地での作品を散りばめ、過去から現在に繋げる

2021.07.14 UPDATE

 上の2枚の写真は、2020年に北海道文化財団の「子どもアート体験事業」で芽室町の上美生学童クラブに2週間通った際に、子どもたちと作った映像作品の一部で、今回の展示作品のひとつです。子どもたちとの活動の時には、ひとりひとりみんな違う答えが出るような問いはないかと頭を悩ませています。活動を通して子どもたちがどう感じるかも、みんな違っててバラバラな方が良いですよね。
 
 今回はVR展示もあることから、会場に来れない遠くに住んでいる人や、自分がこれまで滞在して制作、発表してきた場所の人にも見てもらえることを意識しました。現在の活動に繋がる過去の作品も絡めて、別々の時間、別々の土地での作品を散りばめ、その中に現在との関連性が見つかるような内容になっています。
 
 映像作品を作りはじめた当初は、写真と16mmフィルムを使ったアニメーション作品でしたが、今はデジタル制作に移行しています。
 デジタルで映像を作る最大の利点は、ネットワークを利用して誰かと共同で制作したり、オンライン上で作品を公開できることです。誰かが撮影した素材や購入した素材を使ったり、自分では作れない素材を誰かに作ってもらうなどして、デジタルとネットワークの利点を生かした方法を取っています。
 
 今回の出展作品はもともとデジタルデータなので、VR画面の中ではすべてが等質なデジタル素材になるところが面白いと思っています。この展示会場が本当に実在の物なのかどうか、いくらでも加工したり、変化させたりすることができるので、VR展示は実際に会場で見るのとは違う何らかの心理的な作用があると思っています。
 コロナ禍により、アートイベントの中止を経験しましたが、昨年は中国の美術館のオンライン企画に参加するなど、新しい発表機会を得ることもできました。こうしたオンラインや遠隔指示の経験は、コロナ禍が収束した後も意味を持ちそうだと感じています。

芽室町上美生学童クラブの子どもたちと作った映像作品「ほうかごのい場しょの音 “The sounds of a place of after school”」

Profile
 

斉藤 幹男
映像作家

1978年札幌市生まれ。2000年、早稲田大学第二文学部表現芸術学科卒業。2002年、シュテーデル美術大学(フランクフルト、ドイツ)に進学、2007年卒業。マイスターシューレ(博士号)取得。手描きの絵によるアニメーション、写真、CGなど様々な種類のイメージを組み合わせ、アナログ・デジタル双方の魅力を引き出す映像作品を主に制作し、国内外のギャラリーや美術館等で作品を発表している。2009年より札幌を拠点とし、市民参加型のワークショップ形式の作品制作や音楽家とのコラボレーションも積極的に行っている。

【入場無料】

北海道文化財団アートスペース企画展 vol.46
斉藤幹男 個展 Our time machine does not seem to be broken

2021.5.17~8.27 9:00~17:00 ※土日祝休館 ※都合により臨時休館する場合があります。
場所/札幌市中央区大通西5丁目11 大五ビルヂング 3F 問い合わせ/011-272-0501

VR展示公開中!
VRで離れた場所からでも会場や展示作品をご覧いただけます。
https://my.matterport.com/show/?m=JKAZKbQhFPs

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