世界一のハッカ生産地として栄えた北見市は、人口あたりの焼肉店数が北海道で1位、全国で3位(2021年5月調査)という「焼肉とハーブのまち」。同市の中心市街地で45年にわたり不動産業を営む伊谷商事が「北見焼肉とオホーツクハーブの魅力を発信し、地域や商店街を盛り上げたい」という想いから開発したのが、ローズマリー精油を使ったエチケットグミ「caor」です。
「焼肉を食べた後に口の中を爽やかにしてくれるグミキャンディーや、消臭スプレーを作りたいと考えました。北見市にはもともと、ハッカやカモミールを使った有名な製品があり、どんなハーブが合うかを検討する中で、私の大好きなサガリと相性のいいローズマリーに行き着きました」と話すのは、同社開発担当・伊谷美香さん。2017年度に市の共同研究開発事業を活用し、北見工業大学の協力のもと、ローズマリーを用いた加工食品の試作を開始。その中のひとつがエチケットグミ「caor」として販売されることになりました。
美幌町の農家が無農薬で大切に育てたローズマリーを使ったグミは、清々しい芳香とほろ苦い香味が特徴。原料にはローズマリーの精油のほかに、余市町産のリンゴ果汁も使用している。
「きゃおーる」という親しみのあるネーミングは、北見市出身のコピーライター池端宏介さんの考案によるもの。
ロゴとパッケージデザインを担当したのは、地域性を活かしたブランド戦略に定評のある旭川のデザイン事務所「カギカッコ」です。
ロゴは、オホーツクエリアから北海道全体に販路を広げていくというイメージを軸に検討。ハーブ産地の美幌町、商品加工地の津別町、開発地の北見市、そして北海道全体に見立てた4つのカッコが「caor」の文字を囲むデザインになりました。
白地にローズマリーの写真をあしらい、色数を絞ったパッケージデザインは、シンプルでありながらも清々しい香りを感じる佇まい。柔らかな印象を与える「caor」のロゴデザインと相まって、手に取った瞬間、良い香りに包まれるような気分にさせてくれます。
「グミを通して北見を知ってもらいたいのはもちろんのこと、お土産として選んだ観光客が北見ってどんな街なんだろうと興味を持つ、そんな物語を紡ぐことができたら幸せですね」と伊谷さん。「caor」はグミの他にもバームや石鹸、リップクリームなど関連シリーズも展開中。首都圏や関西圏からの注文も増えつつあり、オホーツクハーブの豊かな香りは、北見市から全国、そして世界を目指して広がっています。