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ずどーん/奈井江町

町民の想いと〝たくらみ〟をのせたキャッチフレーズ ずどーん

2025.11.20 UPDATE

町民の想いと〝たくらみ〟をのせたキャッチフレーズ ずどーん

Tシャツ、タオル、トートバッグ、文具などの販売収益は、グッズの開発費用、イベントでの販売活動費、広報活動費など、「ずどーん」を核としたまちづくりの活動に充てられています。

 奈井江町では誰もが生きがいや役割をもって活躍できるまちづくりを目指し、2022年から「奈井江版生涯活躍のまち」の取り組みをスタートしました。「ずどーん」はこの取り組みから生まれたキャッチフレーズです。
 「ずどーんと伸びる日本一の直線道路、どーんと広がる田園風景、どしんと大らかな町民気質など、奈井江町が持つ有形無形の資源のパワーと、町民のさまざまな想いをのせてまちの魅力を発信したいという思いが込められています」と語るのは、一般社団法人ないえ共奏ネットワークの事務局長・小澤克則さん。この取り組みを推進してきた1人です。
 さらにコピーライターの田中有史さん、アートディレクターの浪本浩一さんをはじめとする、まちづくりの仕事に精通したクリエイターが企画段階から参加。「プロに「丸投げ」するのではなく、町側が描く「たくらむまち 奈井江町」という明確なコンセプトを共有し、「ずどーん」を町民のコミュニケーションツールにしたいという目標に向かって一緒に歩んでくれた存在」と小澤さんは振り返ります。

町内の飲食店では「ずどーん」ジョッキが使われたり、冬まつりで「ずどーん湯」というネーミングの足湯が登場したりと、町にじわじわと浸透している「ずどーん」。ジョッキには、台形の代わりに「カンパイ」のフレーズが続くなど、用途や場面に応じて自由に変化します。

 シンプルなひらがなと、長い音引き(ー)が印象的な「ずどーん」の文字。
 当初は「ZOODOOON」のようなローマ字表記も候補として検討されていたといいますが、カッコ良さよりも、町民が日常的に使いやすく、子どもからお年寄りまで誰もが親しみやすい見た目を優先し、この表記に決まったのだとか。
 アートディレクターの浪本さんは、町民同士のつながりや、町が持つ有形無形の資源が共鳴しあっている様子を表現するために、音引きをつなげてフォントをデザインしました。
 「ずどーん」のコピーと合わせて目を惹くのは、陶芸家の藤本美歩さんが原画を手がけた様々な形のカラフルな台形のイラストです。これは、奈井江町の大自然をイメージした造形で、配色は四季折々の田の色、山の色、川の色、そして多様な人びとをモチーフにしています。
 一つの固定された形ではなく、見る人や使うシーンによって伸び縮みしたり、異なる言葉を組み合わせたりするフォントと造形を作り上げることで、「ずどーん」という言葉を視覚的に豊かにし、「みんなで育てていく」デザインを目指しました。
 町民の思いとクリエイターの創意工夫によって生まれた奈井江町の「ずどーん」。この言葉が持つ大らかさと多様な解釈の余地が、奈井江町の可能性を「ずどーん」と広げてくれる、そんな期待が膨らみます。

DATA

一般社団法人ないえ共奏ネットワーク
空知郡奈井江町字奈井江12番地24 奈井江町役場分庁舎 
℡ 0125-35-9103(平日9:00~17:00)
https://www.naie-kyousou.net
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