2000年に開町100年の節目を迎えた本別町は、「豆のまち・ほんべつ」をキャッチフレーズに、町の活性化事業に着手しました。しかし、町内で加工・製造した商品を各地の催事に出店し、販売促進に乗り出したものの、消費者には「北海道の豆」、「十勝の豆」としか認識されません。そこで企画したのが、本別産の豆のブランド化です。
2007年3月、特許庁に「キレイマメ」の商標登録を申請
ヘルシー志向の女性をメインターゲットにしたこだわりの商品づくりと、高級感を意識したラベルデザインでブランディングに成功
2006年度には、国交省北海道開発局帯広開発建設部の補助を受け「地域ブランド形成促進事業」を開始。地元企業・団体5社と町が連携してプロジェクトチームを結成し、2007年には、十勝本別「キレイマメの会」を発足しました。
「日本一の豆をつくる本別町の名を高めたい」「良質で美味しい<十勝本別の豆>を消費者に届けたい」と想いをひとつに商品開発や販路開拓など、ブランドづくりに邁進。ブランディングやネーミング、パッケージデザインなどは、武蔵野美術大学基礎デザイン学科の主任教授(当時)で、地域産業におけるブランド開発や商品開発を数多く手掛ける宮島慎吾さんと学生たちに依頼しました。
本別町に直接足を運んだ宮島さんたちは、本別町産の「中生光黒大豆」に的を絞り、女性をターゲットにしたシリーズを提案。こうして誕生したのが、「ツヤツヤで粒の大きな黒大豆を食べて、体の中からキレイになってほしい」と願いを込めたブランド「キレイマメ」です。
パッケージデザインは中生光黒大豆に由来する黒を基調に、金色の縁取りで高級感を演出。豆のフォルムを背景に忍ばせたカナ文字のフォントが目を惹く印象的な構図となりました。極端な装飾は避け、無駄を削ぎ落としたシンプルなデザインと洗練された雰囲気は、まるで菓子かサプリメントのよう。高い品質を誇る美味しさと、体に良い効果をもたらすことが連想されるデザインになっています。
容器に合わせて円形や長方形のレイアウトを使い分けながらも、統一感のあるデザインには、「キレイマメ」がまちの特産品として認知されるように、という想いが込められています。
現在は、本別産小豆を使用した「キレイマメ」赤シリーズの展開に向けて検討中とのこと。町、生産者、メーカーによる挑戦は続いています。